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導入事例
株式会社フェリシモ

業種:卸・小売

AWS上のECサイトとデータセンターとの連携に
AWS接続サービスを採用、高速なネットワーク環境を実現

導入効果
AWSとデータセンター間の高速なネットワーク環境を構築
AWS Direct Connectの導入と専用回線の敷設をワンストップ・低コストで実現
利用開始から現在に至る約5年の間、障害発生は皆無
導入サービス
AWS接続サービス
株式会社フェリシモ
設立
1965年5月
本社所在地
兵庫県神戸市中央区
事業内容
ファッションや生活雑貨などの自社企画商品を中心とするダイレクトマーケティング事業
URL
https://www.felissimo.co.jp/
ロゴ:株式会社フェリシモ

1965年5月の創立で、ファッションや生活雑貨などの自社企画商品、独自にセレクトした国内外の商品・サービスをECサイトやカタログを通じて販売する株式会社フェリシモは、“しあわせ社会学の確立と実践”を経営理念に掲げ、自社の事業活動を通じて永続的かつ発展的なしあわせ社会を創造することを目指している。同社では2010年よりアマゾン ウェブ サービス(AWS)の利用を開始し、オンプレミスで稼働していたECサイト用のシステムを移行させた。しかし移行当初、DBサーバはデータセンターのままであり、AWSとDBサーバとを接続するインターネットVPNに通信速度や安定性の問題が発生。この事態を解決するために新たなネットワーク環境を導入することが喫緊の課題となっていた。そこで同社は、AWSへの高速なアクセスを実現するためにAWS Direct Connectの利用を決定し、AWSへ接続することにした。その際に同社が選択したのが、TOKAIコミュニケーションズの提供する「AWS接続サービス」だ。

山下 直也 氏
株式会社フェリシモ
プラットフォーム開発本部
情報システム部 部長
写真:山下 直也 氏
浦上 邦夫 氏
株式会社フェリシモ
プラットフォーム開発本部
情報システム部
インフラ基盤グループ グループリーダー
写真:浦上 邦夫 氏

目次

AWS-データセンター間の通信品質がボトルネックに

株式会社フェリシモでは、2010年からオンプレミス環境のWebサーバ群をAWS上へ移行するプロジェクトを開始した。その背景について、プラットフォーム開発本部 情報システム部 インフラ基盤グループ グループリーダー 浦上邦夫氏は、次のように説明する。

「当時オンプレミス環境には約200台の物理サーバがあり、それらの運用・保守を行っていました。しかし200台の面倒を見るのには、やはり大きな手間がかかりますし、多大な運用コストも発生します。こうした運用負荷やコストを削減するために着目したのが、AWSでした」(浦上氏)。

そこで同社はまず、キャンペーンサイトを自社でAWS上に構築、AWSへのアクセスはインターネット経由で行うことにした。その後、主力事業の通信販売を担うECサイトのシステム、バックオフィス系システムの一部やテスト環境を順次AWS上へと移行した。その際にAWSへのアクセス回線として選択したのがインターネットVPNだった。

「インターネットVPNを選択する際は、当然検証も行いました。しかし本番環境のトラフィックは、想定を超えるものだったのです」(浦上氏)。

専用線+AWS Direct Connectが最終的かつ最適な解決策

ECサイトは、消費者がアクセスして実際に商品を購入する場となる重要な“店舗”だ。ユーザからは“サイトの表示速度が遅い”といった声が多数寄せられ、社内からも現状の改善を求める声が上がっていた。そこで2013年、情報システム部はAWSとデータセンター間のアクセスにAWS Direct Connectを利用することを決定した。当時の状況について、浦上邦夫氏は次のように振り返る。

「ECサイトのレスポンスが悪い原因は回線周りだろうという想定はついていました。そこで試験的にAWS Direct Connectを使ってみたところ、パフォーマンスが改善したのです。インターネットVPNに代わるネットワークとしては、新たに専用線を導入して、データセンターとAWS Direct Connectとを接続するという選択肢が最終的かつ最適な解決策だと考えました」(浦上氏)。

そして同社は、アマゾン データ サービス ジャパン株式会社(現 アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社)に信頼のおけるITサービスベンダーの紹介を依頼、複数提示された候補の中から、最終的に選定されたのが、TOKAIコミュニケーションズだった。

「複数紹介してもらったベンダーの中で、一番信頼のおける企業だと実感できたのが、TOKAIコミュニケーションズでした」(浦上氏)。

ワンストップかつ低コストがAWS接続サービス採用の決め手

実は同社は紹介を受けるまで、TOKAIコミュニケーションズの名前を知らなかったという。それにもかかわらず、ミッションクリティカルなECサイトを支えるネットワークを任せるパートナーとして、TOKAIコミュニケーションズを選んだ理由は何だったのか。

「まず紹介してもらった他のベンダーは、AWS Direct Connectのサービスプロバイダという立ち位置で、自社でネットワークを持っていませんでした。“専用線は、そちらで手配してください”というスタンスだったのです。そうなると我々は大手通信キャリアの回線を利用せざるを得なくなりますが、当然コストは割高になりますし、我々にとっては窓口が2つに分かれることになります。それは手間ですし、万一の障害発生時の対応にも不安が残ることになる。それに対してTOKAIコミュニケーションズのAWS接続サービスは、ワンストップで、何よりもコスト面での優位性がありました」(浦上氏)。

さらに当時はスピード感も非常に重要な要件であり、浦上氏は「TOKAIコミュニケーションズの迅速な対応と、その過程で感じられた柔軟性が、我々にとって非常に大きな信頼感につながりました」と強調する。

「ECサイトの表示速度が遅いという状況が続いていたので、我々としては一刻も早く、新たなネットワーク環境を導入する必要性に迫られていました。サービスの選定当初は複数のベンダーとやり取りをしていたのですが、TOKAIコミュニケーションズはレスポンスが非常に早く、何かしらの要望を伝えると、遅くとも翌日には的確で明確な回答を返してくれました。コスト面も含めて何回かやり取りをしたのですが、その都度、きちんとした提案資料も作ってくれて、それをそのまま、今回のプロジェクトを経営層に上申する際の資料としても使うことができました。こうしたやり取りを通じて、TOKAIコミュニケーションズは非常に信頼のおけるパートナーだという確信を得ることができました」(浦上氏)。サービス利用開始後の障害発生時を想定した場合にも、TOKAIコミュニケーションズのスピーディなレスポンスは、大きな安心感につながったという。

こうして同社は約1か月間の検討期間を経て、2014年2月にAWSとデータセンター間の接続回線としてTOKAIコミュニケーションズの提供する広域Ethernetサービス「リレーションEthernet」の導入を決定、100Mbpsの接続帯域を確保して、同年春に両者間の高速かつ安定したネットワーク環境を実現した。

5年間で障害発生は皆無、今後はインフラ移行も任せたい

現時点でAWS接続サービスの利用開始から約5年が経過しており、ECサイトのシステム構成も当時とは異なっているが、フェリシモではこの間、AWSとデータセンター間の通信には何の障害も発生しておらず、高速かつ安定した接続がずっと維持できているという。

「当初TOKAIコミュニケーションズの知名度は社内的にも低く、“ECサイトの重要な足回り回線を任せるパートナーとして大丈夫か?”という声も上がっていたのです。5年間、障害発生が皆無という実績は、我々の感じていた信頼感や安心感を証明してくれている何よりの事実であり、いい意味で社内の期待を裏切っていただいたと喜んでいます」(浦上氏)。

現在同社ではオンプレミス環境に残っている30~40台のサーバ群のAWSへの移行も、TOKAIコミュニケーションズとタッグを組んでスタートさせた。2023年を最終目標に移行を完了させる予定だ。

プラットフォーム開発本部 情報システム部 部長の山下直也氏は、次のように総括する。

「これまで我々は、ECサイトを中心にAWSを利用しておりますが、AWS側のテクノロジーの進歩は非常に速い。オンプレミス環境に残っているサーバ群の移行を自分たちだけでやってしまうと、気付かないうちに、ひと昔前の技術を使って移行を進めてしまう恐れがあります。AWSに関しての情報収集も進めている中で、TOKAIコミュニケーションズが多くの事例発表をされていることを知りました。毎回情報発信をし続けられるというのは、技術力を持っていることの何よりの証しです。TOKAIコミュニケーションズとは過去5年間、ネットワークに関してだけのお付き合いでしたが、今回のプロジェクトではクラウド化に向けた計画段階から社内ミーティングにも参加してもらい、AWSの専門的な見地から意見をもらっています。TOKAIコミュニケーションズにはこれからも引き続き、さまざまな場面でのサポートを期待しています」(山下氏)。

構成図:株式会社フェリシモ

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