BroadLine(ブロードライン)

導入事例
株式会社ジャパンネット銀行

業種:金融

高セキュリティの業務システムをAWSで構築
深く広い知識を持ったパートナーが成功のカギ

導入効果
構築・運用・回線のワンストップ提供でコストメリットを最大化
セキュアな回線とシステム構築で情報漏えい対策を万全に
確かな技術力を有したパートナーを得たことで広がる将来の展望
導入サービス
AWS導入支援サービス
AWS接続サービス
監視・運用サービス
株式会社ジャパンネット銀行
設立
2000年9月
所在地
東京都新宿区
事業内容
銀行業
URL
http://www.japannetbank.co.jp/
ロゴ:株式会社ジャパンネット銀行

日本初のインターネット専業銀行として、2000年に開業した株式会社ジャパンネット銀行。「先進的で魅力あふれる金融サービスの提供」「お客様の利便性の追求」などをコンセプトに掲げ、銀行サービスの新たな地平を切り拓いてきた同社は、システム化においても先進的な取り組みを数多く行っている。そのひとつが、OAシステムのクラウド化だ。セキュリティと利便性、コストをしっかりと見極めたうえ、従業員向けシステムの一部をオンプレミスからアマゾン ウェブ サービス(以下、AWS)に移行した。システム構築のパートナーとして選ばれたのは、TOKAIコミュニケーションズ。AWSとのセキュアな接続を実現する企業向け通信サービス「BroadLine」の「AWS接続サービス」や高い技術力により、同社のクラウド活用を支えている。

宮本 昌明 氏
株式会社ジャパンネット銀行
開発二部長
写真:宮本 昌明 氏

目次

ハードウェアの保守期限切れを機にOAシステムのクラウド化を検討

常に新しいことに挑戦し続けていくという理念のもと、ジャパンネット銀行は同業界の先頭を走ってきた。スマートフォン用の残高確認アプリ・宝くじの当せん確認アプリや、国内初の電子ペーパーを使用したカード型トークンなどのサービス提供がその最たる例だ。24時間365日お客様が安心できる環境を保持するため、高スキルなCSIRT体制の構築や多様なサイバー犯罪対策に取り組んでいる同社。インターネット専業銀行であるからこその、堅牢なセキュリティを求める姿勢の表れといえるだろう。

ジャパンネット銀行がシステム更改を検討し始めたのは、2007年に構築したOAシステムのハードウェア保守期限が近づいてきたためだった。

オンプレミスでシステムを運用している限り、ハードウェアの更新からは逃れられない。運用負荷の低いシステムへと再構築するためにクラウドを利用できるのではないか―。そう考え始めたきっかけは、提携先や同社が利用しているサービスのシステム基盤がAWSに移行したことだったという。

株式会社ジャパンネット銀行 開発二部長の宮本昌明氏は、「金融業界でもクラウドが使われ始めていると、身近に感じたのはそのときが初めてでした」と当時を振り返る。業界全体として、大手銀行のAWS採用が話題になっていたことに加え、FISC(金融情報システムセンター)が有識者検討会を実施し、クラウド利用の安全性についての評価基準を示したこともあり、金融業界でのクラウド活用も本格化していくと見られていた。「クラウドの信頼性・安全性の調査は当然必要となりますが、ジャパンネット銀行でもクラウドのメリットを享受できるのではないかと考え、システムのクラウド移行を検討し始めました」(宮本氏)

トータルのコストメリットと技術力がパートナー選定の決め手

同社にとってコスト削減は経営戦略上の継続的な重要課題である。削減できたリソースをお客様の利便性向上を目的とした取り組みに向けられるからだ。「コスト削減という観点から、オンプレミスと比較してクラウドは非常に優位性が高かった」と宮本氏は語る。継続的に値下げを行うAWSは、こうした要望に応えられるコストメリットを有していた。「AWSは提供サービスも多様で、セキュリティ面でも当社OAシステム基盤の外部委託先として問題なしと判断しました」(宮本氏)

銀行は信頼性が当然重要視される。クラウド導入にあたっては何重にもセキュリティ対策を施すことが必須となる。通信経路から、もしくはクラウド事業者の故意・過失による情報漏えいなど、オンプレミス以上に考慮すべきリスクがいくつも浮かび上がる。

これらについて検討した末に行き着いたのは、「万が一データが流出しても、そのデータが情報として意味を成さないようにしておくこと。つまり、AWS上には暗号化したデータしか保存しないという手段でした」と宮本氏。AWS上のデータはすべて暗号化し、データを復号化する鍵は銀行内のネットワークでのみ利用を許可する。このポリシーを徹底することで、万が一データが漏洩しても情報漏えい事故につながらないシステムとすることができる。

セキュアな通信を確立するため、AWSと社内ネットワークを結ぶ通信回線はインターネットではなく専用線の採用を決定した。しかし、初期投資を含めたAWSのコストと専用線のコストの合計が、オンプレミスの運用維持コストより安くなければAWSのコストメリットを享受できない。

初期投資・運用コストを押さえつつ、セキュリティを維持したシステムと通信回線の構築が可能で、かつスムーズなシステム移行作業が行える技術力を持ったパートナーを探していた同社。この要件を満たす数社のクラウドインテグレータを比較検討した結果、最も優れていたのがTOKAIコミュニケーションズだったという。他社に比べて初期投資を低く抑えられた要因について宮本氏は、「TOKAIコミュニケーションズはシステム構築・運用・保守、さらに通信回線まで一括で提供できることに加え、AWSの構築実績が豊富であるため効率的なインテグレーションが行えたからではないか」と分析している。

構築段階から運用開始後まで活きるTOKAICOMの技術知識

TOKAIコミュニケーションズが提供した範囲は、OAシステムを移行するためのAWS上でのシステム設計・構築・監視運用、およびAWSに接続する通信回線だ。Multi-AZによる冗長構成とすることで主要システムの可用性を確保するとともに、スタンバイ系のサーバはシステム内容によって非稼働運用とすることでコストを削減している。拠点とAWSをつなぐ回線はAWS Direct Connectの共用接続回線を利用し、その中で同社専用の論理的に独立したネットワークを構成。セキュリティを確保しながらリーズナブルな価格を実現した。同時にインターネットVPN網によるバックアップ回線を用意することで接続回線の可用性も確保した。

宮本氏はシステム構築が始まるとすぐに、TOKAIコミュニケーションズの技術力の高さを感じたという。ネットワークを含むシステム全般を取り扱ってきた経験から、AWSに限らずIT全般に関する深い知識を持っていると感じたそうだ。「AWSのみならず、システムの利便性を向上させるために導入した周辺機器の設定について相談した際も、的確な解決策を提示してくれました」(宮本氏)

ジャパンネット銀行では、AWS上の暗号化されたデータへのアクセスを円滑に行うためにクラウドストレージゲートウェイ機器を導入しようとしていた。しかし、その機器に想定通りの動きをさせるための設定が難航していたという。この件についてTOKAIコミュニケーションズに相談したところ、問題が解決し円滑なシステム利用が可能となった。それ以来、AWSを含む周辺システムについても相談を持ちかけるようになった。「こちらが抱えている課題に対して、必ず何かしらの提案をいただけます。次々に解決策を示してくれ、その引き出しの多さとスピード感に驚かされます」と、宮本氏はTOKAIコミュニケーションズの技術知識、提案力の高さを評価する。

時代の最先端を走り続けるために

OAシステムのAWS移行を経て、大幅なコストダウンを実現したジャパンネット銀行。システム移行成功のカギは、技術力を有し、トータルでコストパフォーマンスを発揮できるパートナーを得たことだ。システム構築・運用・保守、さらに接続回線まで一括で提供できる経験豊富なTOKAIコミュニケーションズをパートナーに迎え、AWSのメリットを活かした新たな取り組みを検討・着手するための環境が整ったことで、お客様への新たな付加価値を提供する取り組みの推進が一層可能となった。

「TOKAIコミュニケーションズは、ベンダー目線ではなく弊社目線で、解決策の検討材料を積極的に提供してくれます。最近では働き方改革の進め方についての相談にも応じてくれました」と宮本氏。

「フィンテックの先駆けとして生まれたのがインターネット専業銀行です。先端を走り続けるために、他企業がまだやっていないようなことにも積極的にチャレンジしていく必要があります。そのためのパートナーとして、これからも様々な提案に期待したいですね」と、今回構築したシステムを活用した新たなるチャレンジを決意するとともに、TOKAIコミュニケーションズに対して一層の期待を寄せた。

構成図:株式会社ジャパンネット銀行

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