導入事例
株式会社マキヤ
業種:卸・小売
システム基盤をAWSに移行し、接続サービスも導入
将来の拡張性と耐障害性に優れたシステム環境を獲得
- 導入効果
- システム基盤構築とネットワーク構築を一括で委託
- 利用用途に合った最適なAWSサービスを選定
- 5年ごとのサーバリプレイスも不要になり、運用負荷も削減
- 導入サービス
- AWS導入サポート
- AWS接続サービス
- Azure接続サービス
- 株式会社マキヤ
- 設立
- 1953年8月
- 所在地
- 静岡県富士市
- 事業内容
- ディスカウントストア「エスポット」やフードマーケット「ポテト/マミー」などの運営、地域特性に即した5つの業態における店舗展開
- URL
- https://www.makiya-group.co.jp/
株式会社マキヤは、静岡県を中心に神奈川県など広範囲な地域でディスカウントストア「エスポット」やフードマーケット「ポテト/マミー」など5業態で80を超える店舗を展開している。1953年8月の設立以来、生活に密着した豊富な品揃えを提供する総合店(ホームセンターや食品のスーパーマーケット)と多様なニーズに対応する専門店の運営を通して地域社会の発展に貢献している。現在では顧客の毎日の生活をより豊かで健康にする「より良い商品」を「安心の安さ」と「温かいサービス」で提供することを中長期の方針として掲げ、重点販売商品の販売強化や販促POPの充実などに注力する。同社は2021年、それまで利用していたクラウドサービスの提供終了に伴い、システム基盤をアマゾン ウェブ サービス(AWS)へ移行するとともに、AWSへの接続サービスを導入した。さらに別プロジェクトで進めていた基幹システムのMicrosoft Azure移行に伴い、Azureへの接続サービスも導入した。このAWSへの移行とAWSおよびMicrosoft Azureへの接続を委託するITパートナーとして選択したのが、TOKAIコミュニケーションズだ。
- 杉山 真哉 氏
- 株式会社マキヤ
IT部 部長
目次
安心・安全な環境へのシステム移行が課題に
株式会社マキヤでは、以前より会計や人事給与、勤怠管理、グループウェアなどの各システムをクラウドサービス上で稼働させていたが、利用していたクラウドサービスが2021年に提供終了を迎える予定となっていた。そこで同社は、2019年に新たなシステム基盤への移行を計画した。当時の状況について、IT部 部長の杉山真哉氏は次のように説明する。
「今まで利用していたクラウドサービスの終了は数年前からアナウンスされていたので、そのタイミングに合わせて検討を開始しました。一方でクラウドサービスの提供元となっていたデータセンターには、他のシステムが稼働するオンプレミスの物理サーバを設置していたのですが、2011年に東日本大震災が発生しました。静岡県を拠点とする当社は浜岡原子力発電所にも近く、バックアップやBCP対策を講じておく必要性をより強く感じていたのです。データセンター以上に安心できる環境にシステムを設置しておくほうが良いという問題意識を以前から持っていました」(杉山氏)
そこで同社は各システムを稼働させる基盤として、新たなクラウドサービスの利用を検討することにした。
アプリケーションとの親和性・実績からAWSを選択
同社は、新たなシステム基盤を選定するにあたり80を超える店舗間ネットワークの構築・運用を委託しているTOKAIコミュニケーションズに相談し、AWSへの移行提案を受けたという。TOKAIコミュニケーションズは、通信サービスにとどまらず、AWSの導入支援から基盤構築、接続回線、監視・運用に至る全てのサービスをワンストップで提供している。
「新たなクラウドサービスの選定にあたっては、AWS以外のMicrosoft Azureといったクラウドサービスも検討したのですが、やはり重要となるのはアプリケーションとの親和性です。アプリケーションベンダー自身も、初めて利用するクラウドサービスには必然的に慎重な対応になります。そこで会計や人事給与など各システムの開発を依頼したITベンダーにもヒアリングを行い、アプリケーション側でもAWSへの対応実績が十分に積み上がっていることを確認しました。こうした情報をもとにAWSへの移行を決定し、TOKAIコミュニケーションズにはAWS移行プロジェクトの支援とAWS接続サービスの提供を依頼しました」(杉山氏)
同社はAWSへの移行と並行して、基幹システムに相当する販売管理システムのシステム基盤も、従前のクラウドサービスからMicrosoft Azureに移行した。新たな基盤としてMicrosoft Azureを選択したのは、アプリケーションベンダーがMicrosoft Azure上での開発実績を豊富に保有しており、かつMicrosoft Azureへの移行も安心して任せられることが分かったからだ。また、Microsoft Azureへの接続についても今まで同社のネットワークを手掛けてきた信頼性を重視し、TOKAIコミュニケーションズのAzure接続サービスを採用することにした。
ワンストップ対応で障害発生時も安心
AWSへの移行プロジェクトは、まずは7~8システムを対象に2020年夏から順次スタートし、2021年3月末までに全てが完了した。AWS上のシステムを利用する際は、各店舗からTOKAIコミュニケーションズが提供する広域Ethernetサービスを介して、いったんデータセンターにアクセスし、データセンターからAWSまでの区間は、AWS接続サービスによって接続するネットワーク構成とした。また、インターネットへの接続もデータセンターを経由する構成としている。杉山氏は、AWSの導入支援からAWS接続までを委託するITパートナーとして、TOKAIコミュニケーションズを選択したメリットについて、次のように説明する。
「万一AWSとの通信が切断してしまうと、その瞬間に業務そのものが停止してしまいます。システム基盤としてのAWSと、AWSに接続するネットワークの両方を一括して任せることができれば、障害発生時の原因の切り分け作業が迅速かつ効率的に対処できると判断しました」(杉山氏)
同社の80を超える各店舗には、ITやネットワークなどのシステム全般が苦手な従業員も多く、障害対応はIT部員が動く必要がある。
「IT部も潤沢に人員がいる訳ではないので、人材の観点からも、全店舗のネットワーク環境と今回構築したAWS環境を含め、PCから先の要件は全てTOKAIコミュニケーションズにワンストップで対応していただくことが可能になったことは、まさに理想的な状況だと言えます」(杉山氏)
同社は、販売管理システムを移行したMicrosoft Azureとデータセンターまでの区間の接続については、Azure接続サービスを採用している。
「各クラウドサービスへの接続は、耐障害性を高めるためデータセンター内に2台のルータを設置し、冗長化でのネットワーク構成を実現することができました」(杉山氏)
豊富な知見を高く評価 今後も環境改善の支援に期待
杉山氏は、今回の移行プロジェクトを進めるにあたってTOKAIコミュニケーションズの豊富な知見が大きな安心感につながったと強調する。
「AWSのホームページでサーバスペックを選定するといっても、AWSの利用が初めての私たちには、どのメニューを選択すれば良いかよく分かりません。その際にTOKAIコミュニケーションズは、私たちの実現したいことを理解した上で、色々な提案をしてくれました。その1つがデータベースサービスのAmazon RDSを活用することです」(杉山氏)
移行対象の1つである勤怠管理システムは、当初他のシステムと同様にAmazon EC2で稼働させる予定だったが、動作が鈍くなる可能性があることが分かった。その際にTOKAIコミュニケーションズが提案したのが、Amazon RDSだった。
「私たちが必要とする最適なスペックでの提案をいただきました。それは非常に大きなメリットだったと思います」(杉山氏)
AWSへの移行により得られた効果としては、サーバの調達に時間がかからず、新しいシステムも早ければ約1か月で稼働開始できること。またリモートでの設定作業が標準となり、人的コストを低減できたこと。障害対応にかかっていたIT部門の運用負荷を大幅に削減できたことなどが挙げられる。そして5年ごとに必要となるサーバのリプレイス作業が一切不要になったことも大きな効果としてあったという。
「私たちの店舗の中には、まだ接続回線としてISDNやADSLを利用しているところも残っています。これら古いネットワーク環境もTOKAIコミュニケーションズに相談して順次見直していきたいと考えています。また現在多くの企業で利用されているAWSも、障害発生のリスクが皆無というわけではありません。万一障害が起こった時に、ユーザ企業だけで対応するのは困難です。そうした場面に直面した際にも、頼りになるITパートナーとしてTOKAIコミュニケーションズのサポートを受けたいと思います」(杉山氏)
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- 本導入事例の内容は制作時(2022年3月)のものであり、変更されている可能性があることをご了承ください。
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