導入事例
ニッセイ情報テクノロジー株式会社
業種:情報通信
複数のクラウドサービス上に開発環境を構築
高品質かつセキュアなクラウド接続環境を低コストで実現
- 導入効果
- 複数クラウドへの高品質かつセキュアな閉域接続環境を実現
- 検証環境の構築リードタイムを大幅に短縮し、社内のクラウド利用が加速
- 各クラウド上で安全かつ利便性の高い開発環境を獲得
- 導入サービス
- AWS接続サービス
- GCP接続サービス
- Azure接続サービス
- ニッセイ情報テクノロジー株式会社
- 創業
- 1999年7月
- 所在地
- 東京都大田区
- 事業内容
- 保険・金融に関するシステムサービス、医療・介護に関するシステムサービス 等
- URL
- https://www.nissay-it.co.jp/
1999年に日本生命グループのIT戦略を担う企業として設立されたニッセイ情報テクノロジー株式会社は、グループ内外の企業を対象に保険・共済や年金、ヘルスケア領域を中心にシステムサービス、ネットワークサービスを提供している。同社は現在、クラウドサービスの利用を前提とする3つのビジネスモデルを構想しており、その実現に向けた第一歩として、2020年に全社のクラウド活用を推進するクラウドCoE室を設立した。クラウドサービスの調査・検証、利用指針の作成、社内ナレッジの蓄積・共有、開発手順の策定などが主な役割だが、その一環として、スピーディかつ簡単に利用できるクラウド開発環境の構築にも着手した。対象としたのは、アマゾン ウェブ サービス(AWS)、Google Cloud™、Microsoft Azure(Azure)の3つのクラウドサービスで、各クラウドへの接続回線として高品質かつセキュアなネットワークサービスが必要となる。その際に選択されたのが、TOKAIコミュニケーションズの提供するクラウド接続ソリューションだ。
- 伊丹 康雄 氏
- ニッセイ情報テクノロジー株式会社
クラウドサービス事業部 上席プリンシパル
兼 クラウドCoE室 室長 - 髙島 隆輔 氏
- ニッセイ情報テクノロジー株式会社
クラウドサービス事業部
クラウドCoE室 スペシャリスト
目次
クラウド利用環境の利便性向上を目指して
ニッセイ情報テクノロジー株式会社では、顧客企業のシステム構築・パッケージ導入をクラウド環境上で実施するSIモデル、クラウドを運用してシステムを提供するクラウド運用モデル、業務向けアプリケーションをクラウドサービスとして提供するSaaS型提供モデルという3つのビジネスモデルを構想しているが、その実現に向けて、社内におけるクラウド活用をより一層加速していく必要性を感じていた。その役割を担う組織として2020年に設立されたのがクラウドCoE室だ。同室の直近の取り組み課題について、クラウドサービス事業部 上席プリンシパル 兼 クラウドCoE室 室長の伊丹康雄氏は次のように説明する。
「第一に、サービス開発で利用するネットワークやセキュリティツールなど各種テンプレートの整備が必要です。また、クラウドを利用する際の基本方針の策定、社内ナレッジを蓄積して共有できる環境の構築なども重要なテーマとなっています。こうした取り組みの一環として、社内から容易に利用できるクラウド開発環境を作ろうと考えました」(伊丹氏)
同社では、プロジェクトの発足前に社内エンジニアがクラウドを試用したところ、いくつかの課題が露呈したという。
「AWS Direct ConnectでAWSとセキュアに接続する場合、専用線の導入に約2~3か月の準備期間が必要となり、イニシャルコストが発生します。また、専用線の導入後はランニングコストも発生し、継続利用の用途がなければ無駄な投資にもなりかねません。簡単にクラウドを利用する場合には、やはりインターネット経由での接続が現実的な選択肢でした」(伊丹氏)
しかし、自社のセキュリティポリシー上、重要なデータをクラウドに移す際の制約があり、エンジニアにとって使い勝手の良い環境ではなかった。
「そのため、機動性が高く、社内的にも手軽かつ安全にクラウドを利用できる環境が必要だと考えました」(伊丹氏)
こうしてクラウドCoE室は、AWS、Google Cloud™、Azureの3つのクラウドサービスを対象に、開発基盤として手軽かつセキュアに利用できるネットワーク環境の構築に着手することにした。
高品質・安全・低コストな接続環境を実現したい
同社のデスクトップ環境は、TOKAIコミュニケーションズが保有するデータセンターに社内ユーザが利用する仮想デスクトップ環境を構築し、本社および各拠点から広域イーサネット回線でデータセンターに接続する構成としている。ネットワーク分離によるセキュリティ対策のひとつとして、インターネット利用は仮想ブラウザ方式を採用しているが、これはエンジニアがクラウドを利用する際の使い勝手に制約を加えている要因のひとつだった。そこで同社が考えたのが、AWS、Google Cloud™、Azureにそれぞれ開発環境を確保し、各クラウドサービスへの接続には、データセンターから新たに広域イーサネット回線を導入するというものだった。新しいネットワークサービスに求めた要件について、クラウドサービス事業部 クラウドCoE室 スペシャリストの髙島隆輔氏は、次のように説明する。
「最も重要な点は、エンジニアが各クラウドサービスを安心して快適に利用できることです。そのためには高品質かつセキュアなネットワークサービスが必要です。また今後も継続的に利用していくことを考えれば、当然コストも重要な要件となります。私たちは、これら全てを満たすネットワークサービスの実現を求めていました」(髙島氏)
そこで同社は、以前からデータセンターや各種ネットワークサービスを利用していたTOKAIコミュニケーションズに相談し、最適な提案をしてもらうことにした。
広範囲にわたる対応力とスピード感を高く評価
同社では3つのクラウドサービスへの接続回線を導入するにあたり、他の通信事業者にも提案を依頼したが、伊丹氏は「ランニングコストも含めて最も優位性が高かったのがTOKAIコミュニケーションズだった」と当時を振り返る。
「TOKAIコミュニケーションズは“短期間で構築でき各拠点から3つのクラウドサービスに安全にストレスなく接続できるようにしたい”という私たちの要件を十分に汲み取り、複数のクラウドサービスに接続可能なクラウド接続ソリューションを提案してくれました」(伊丹氏)
今回採用したクラウド接続ソリューションは、速度遅延の少ない高品質な回線で、複数のクラウドサービスと複数の拠点とをフルメッシュで接続可能なネットワークサービスだ。10Mbpsから10Gbpsまでの帯域品目の中から自社の用途や予算に合わせて、最適な通信速度を拠点ごとに選択することができる。
「他の通信事業者の提案では、クラウドへの接続は各社で準備されている専用ポータルにログインして、マニュアルに沿って自分たちで設定を行う必要があるなど、一連の作業が私たちにとって大きな負担になる可能性がありました。しかしTOKAIコミュニケーションズはクラウドの環境構築サービスを提供していることもあり、単なる通信事業者にとどまらず非常に広範囲な領域で私たちのクラウド利用を支援してくれました。各クラウドとの接続の際には、しっかりと手順を明示してくれた上で、手厚くフォローしてくださり、ユーザ企業としては本当に心強かったですね」(髙島氏)
また伊丹氏も「TOKAIコミュニケーションズには他の通信事業者に比べて、より迅速に対応していただけることが多く、短納期という観点からも非常に助けていただきました」と強調する。
さまざまな面で今後の提案にも大きな期待
さらに髙島氏は、今回新たなネットワーク回線の導入にあたり「コスト面でもTOKAIコミュニケーションズに大きなアドバンテージがありました」と続ける。
「複数社から見積を取得した結果、TOKAIコミュニケーションズが提示してくれたランニングコストは、他と比較して最も安価でした。今後全社でクラウドサービスの利用を加速していくという私たちの方針を考えれば、これは非常に大きなメリットだと言えます」(髙島氏)
こうして同社は、2020年9月にAWS接続サービス、同年11月にAzure接続サービス、2021年3月にGCP接続サービスの導入を完了した。現在各クラウドサービスは開発環境として利用しているが、既に数々の導入効果を実感することができているという。
「例として、現在AWSの開発環境では、約40システムで利用しており、既に本番環境に移行してリリースしたサービスもあります。これまでネットワーク回線の導入から含めれば約2~3か月かかっていたクラウドサービスの利用が、現在では2営業日程度で開始できるようになりました。当初の目的としていた全社で迅速・簡単・安全に利用できるクラウド開発環境を獲得することができたと言えます。今では社内ユーザからの評価の声も届いており、クラウドサービス利用の推進をミッションとして掲げる私たちにとっては本当に嬉しい限りです。この成果にはTOKAIコミュニケーションズがプロジェクト成功の一翼を担う存在であることを実感しています」(伊丹氏)
「現在TOKAIコミュニケーションズには、社内の多様なネットワークだけでなく、別事業の基盤開発案件にも参加していただいています。今後プライベートクラウドとパブリッククラウドの各基盤を統合し、シームレスに利用するハイブリッド環境の構築なども視野に入れていますが、その際には頼りになるITパートナーとして、引き続き良い提案をいただけることを期待しています」(髙島氏)
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- 本導入事例の内容は制作時(2022年2月)のものであり、変更されている可能性があることをご了承ください。
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