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導入事例
株式会社ノーリツ

業種:製造

Amazon S3との接続にTOKAICOMの「AWS接続サービス」を採用
バックアップの運用負荷が大幅に軽減

導入効果
Amazon S3の利用でバックアップの運用負荷を軽減
大容量・高品質な専用回線により快適なデータ通信が可能に
豊富なノウハウと迅速なサポートにより短期間で構築が完了
導入サービス
AWS接続サービス
株式会社ノーリツ
設立
1951年3月
本社所在地
兵庫県神戸市中央区
事業内容
温水空調分野を中心とした住宅設備機器の製造・販売・サービス事業
URL
https://www.noritz.co.jp/
ロゴ:株式会社ノーリツ

“お風呂は人を幸せにする”という理念のもと、1951年3月に神戸市元町で誕生した株式会社ノーリツは、これまでに全自動ガスふろ給湯器など数多くの商品を業界に先駆けて世に送り出してきた。2017年には、人感センサーによる浴室モニター機能で入浴中の高齢者を見守る次世代ふろ給湯器を発売。2019年現在、国内における給湯器のシェアは実に約40%にのぼる。これまで同社情報システム部門では、データセンターで稼働している全業務システムのバックアップデータを磁気テープに保存していた。しかし、運用コストがかさむことから、バックアップ先としてアマゾン ウェブ サービス(AWS)が提供するストレージサービス「Amazon S3」の採用を決定。加えて、AWSへの高品質・大容量の接続環境を実現するためにAWS Direct Connectと専用回線の利用を検討していた。そこで選択されたのが、TOKAIコミュニケーションズの提供する「AWS接続サービス」だ。

梶間 雅人 氏
株式会社ノーリツ
経営企画部 IT推進室
情報セキュリティ・インフラグループ 主事
写真:梶間 雅人 氏
三好 康貴 氏
株式会社ノーリツ
経営企画部 IT推進室
情報セキュリティ・インフラグループ 副主事
写真:三好 康貴 氏

目次

バックアップの運用コストが課題に

株式会社ノーリツでは、データセンターで稼働している全業務システムの日次バックアップデータを磁気テープに保存し、遠隔地にある専門業者の倉庫にトラックで輸送するという作業を行っていた。一定期間倉庫内で保管した磁気テープは、再度データセンターに輸送し、次のバックアップに利用する。しかしこの運用には多大な手間とコストがかかっていた。当時の状況について、経営企画部 IT推進室 情報セキュリティ・インフラグループ副主事の三好康貴氏は、次のように説明する。

「磁気テープでのバックアップには長時間かかり、定刻までに終わらなければバッチ処理を開始することができないという問題点がありました。しかし一番悩ましかったのは、磁気テープの故障頻度の多さです。さらに、故障に備えて予備の製品を入手しようとしても、同じ規格の製品がもう販売されていないということが何度もありました。つまり、磁気テープを利用したバックアップには、多大な運用コストが発生していたのです」(三好氏)。

そこで同社は、バックアップシステムの刷新を検討。新たなバックアップシステムの構築と検証を実施し、現在稼働している仮想マシンのバックアップの仕組みを新システムに移行する計画を策定した。

「磁気テープでのバックアップを今後も続けていく限り、バックアップの運用コストが減ることはありません。テープ装置やバックアップサーバも、数年のサイクルでリプレイスを行う必要があります。そこで、新たな仕組みの構築にあたり、バックアップアプライアンス製品とデータ保存用ストレージを組み合わせて利用することにしました。この方法であれば、機器のリプレイスも含めたバックアップの運用コストが継続的に削減できるというメリットが得られると考えたからです」(三好氏)。

バックアップ先としてAmazon S3を採用

新たなバックアップシステムの構築に向けて、同社ではまず複数のバックアップアプライアンスを比較検討して製品を選定。2019年3月には、バックアップデータの保存先としてAWSが提供するストレージサービス「Amazon S3」を採用した。

「Amazon S3は、他のストレージサービスに比べて安価に利用できることに加え、サービスの利用者が多いことからWebを通じて数多くの技術情報を得ることができるため採用を決めました」(三好氏)。

また、Amazon S3への接続にはAWS Direct Connectを利用することも決定。同社のデータセンターとAWS Direct Connectとを接続する回線としてまず検討したのは、既に社内ネットワークとして利用していたWAN回線だった。しかし、この方法ではコストとネットワーク負荷が問題となったという。社内ネットワークを担当する経営企画部 IT推進室 情報セキュリティ・インフラグループ 主事の梶間雅人氏は、次のように説明する。

「既存のWANは、AWSに閉域網で直接アクセスできるので、当初このネットワークを利用することを考えたのですが、検討の結果コストに見合わず断念しました。また、接続回線の用途はバックアップであるため、既存のWAN回線を利用した場合その中を大量のバックアップデータが毎日流れることになります。WAN回線で接続されている各拠点とデータセンターとの通信、さらにはデータセンターとAWSとの通信に影響が出る恐れもありました。そこで、今回はバックアップ用に新しい回線を用意し、AWS Direct Connectを経由してデータセンターからAWSに接続することにしました」(梶間氏)。

同社がAWSについて相談していたアマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社から紹介を受けたのが、TOKAIコミュニケーションズだった。

専用回線の利用で快適な接続環境が実現

同社はバックアップ用接続回線として複数のサービスを検討したが、最終的にはコスト・納期・対応の早さなど数多くの面で優位性のあったTOKAIコミュニケーションズのAWS接続サービスを採用した。

「お客様向けの会員サイトのシステムでは以前からAWSを利用していましたが、社内インフラとしてAWSを採用したのは今回が初めてでした。今回のAmazon S3導入を契機として、当社が利用しているAWS上のシステムは全て私たちの部門で管理することにしました。移行プロジェクトが始まる前に新たなバックアップ回線を用意する必要があり、回線の調達に使用できる期間は約3か月しかなかったのですが、TOKAIコミュニケーションズは、この要望にきちんと応えてくれました」(梶間氏)。

TOKAIコミュニケーションズは、AWS Direct Connectの接続ポートを1社だけで利用し、お客様専用の個別回線を構築する専用ポートプランと、共用設備を複数社で利用する共用ポートプランの2つを提案。同社は専用ポートプランを採用した。

「今後は全システムのバックアップデータの保存先をAmazon S3に集約しようと考えていたので、バックアップ用回線には相当の負荷がかかることが予想されました。高品質な通信環境を安定して利用するためには、やはり自社専用の回線が必要だと考えました。現在データセンターで稼働している業務システムを将来的にクラウドに移行することも検討していますが、それに合わせてAmazon VPCの数も増加します。複数のVPCに接続できるという要件も加味して専用ポートプランを選択しました」(三好氏)。

同社は2019年7月にAWS接続サービスの導入を完了。利用開始から2か月程度経過しているが、接続回線に関する問題は全く発生していない。

的確なサポートに安心感 今後も新たな提案に期待

新たなバックアップシステムの稼働が開始したことで、同社では従来の運用の手間を劇的に軽減することに成功した。

「ハードウェア更新中の基幹システムなどのバックアップについては、まだ磁気テープを利用した運用が残っていますが、AWS接続サービスを導入してAmazon S3への自動バックアップを実現したシステムでは、信頼性の高いバックアップが磁気テープを使用することなく可能になりました。磁気テープの交換や運搬も不要なので人手もかかりません。データセンターでテープ交換などの作業を委託するコストも減っています。こうしたバックアップ環境が実現できたのも、TOKAIコミュニケーションズの信頼できるネットワークがあってこそだと実感しています」(三好氏)。

バックアップ方法を刷新した業務システムにおいて、バックアップ時のエラーは全く発生していないという。

「これまでは、ほぼ毎日のように運用オペレータからバックアップ処理のエラーについて連絡を受けていたのですが、今ではそんな連絡も皆無です。」(三好氏)。

今回のプロジェクトを通して、TOKAIコミュニケーションズのAWSに関する豊富な知見が様々な場面で大きな助けになったという。

「今回は私たちにとって初めてのAWS導入でしたので、ネットワーク設計にあたって把握しておく必要のあるサービス上の制約などをはじめ、よく分からないことが多々ありました。そうした点についての質問にも本当に早く、的確に対応してくれたことは、大きな安心感につながりました」(梶間氏)。

今後同社ではAmazon EC2や、複数のAWSアカウントおよびビジネスアプリケーションへのシングルサインオンを実現するAWS Single Sign-Onなどの導入も検討する考えだ。

「私が知っている限り、TOKAIコミュニケーションズはAWSに関して最もノウハウのあるベンダーのひとつだと認識しています。今後も新たな課題が出てきた時には、真っ先に相談するパートナーであることは間違いありません」(三好氏)。

構成図:株式会社ノーリツ

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