BroadLine(ブロードライン)

導入事例
三協立山株式会社

業種:製造

TOKAIコミュニケーションズのDirect Link接続サービスで
コストメリットを最大限に引き出すネットワーク構成を実現

導入効果
開発環境に必要な接続帯域・セキュリティ・安定性を確保
利用中のデータセンター内でリレーションEthernet網に収容し回線コストを抑制
クラウド利用促進や将来的なマルチクラウドに対応する接続回線
導入サービス
IBM Cloud接続サービス
リレーションEthernet
三協立山株式会社
設立
1960年6月
所在地
富山県高岡市
事業内容
  1. ビル用建材・住宅用建材・エクステリア建材の開発・製造・販売
    アルミニウム、その他金属の圧延加工品の製造・販売
  2. アルミニウム、マグネシウムの鋳造・押出・加工・販売
  3. 店舗用汎用陳列什器の販売、規格看板・その他看板の製造・販売
    店舗および関連設備のメンテナンス
URL
http://www.st-grp.co.jp/
ロゴ:三協立山株式会社

目次

クラウドを活用し、成長戦略を支える社内システム開発環境を整備

1960年創業の三協立山株式会社は、アルミ製日用品の製造から事業を開始し、建物用アルミ建材の総合建材メーカーとして事業を拡大。現在はそれらに加え、アルミやマグネシウムの加工、商業施設の什器の開発・製造・販売など多角的な事業を展開している。

高い技術力を活かして事業を拡大してきた同社は、各事業分野が築いてきた強みを一層発揮するために、成長戦略「VISION2020」を掲げ、リフォーム事業、マテリアル事業、海外展開、既存の技術力を活かした新分野への挑戦に取り組んでいる。同社の情報システム部門である情報システム統括室は、各事業部門と連携して、この成長戦略達成に資するシステムの構築・提供を行っている。

同社は、グループ会社の経営統合を契機に、2009年頃より経営スピードの加速とTCO削減を目的とした大規模なシステム統合プロジェクトを推進してきた。仮想化ソフトウェアVMwareで同社システムを仮想化することにより数百台あった物理サーバを大幅に集約するなど、早期から仮想化に積極的に取り組んできた。
また同社は、近年関心が高まっている災害時の事業継続の観点から、データセンターへサーバ機器などの移設を進めていたが、移設中にも古いシステムの改修や新しいシステムの構築が必要であり、その際のテスト環境をどこに設けるか検討していた。その中で、設備投資やリソースの制約が少ないクラウド上にテスト環境を構築する方針を決めた。

クラウドの導入に際して、さまざまなクラウドサービスを検討した結果、IBMクラウドのインフラストラクチャー・サービス「SoftLayer ※」(以下「IBMクラウド」と記載)を選択した。日本円での支払が可能という利便性と世界的にサービスを提供しているIBMクラウドに対する信頼が大きかった。
テスト環境での利用を想定していたこともあり、利用開始当初はIBMクラウドとの間をインターネットVPNで接続していた。クラウド環境内に閉じられた開発やテストであればインターネットVPNで問題なかったが、徐々に利用者から「社内システムと連携したテストをしたい」「容量が大きなソフトのインストールを短時間で行いたい」という要望が挙がるようになった。これらの要望を実現させるためには、回線帯域を増強する必要があった。加えて、社内システム環境との連携には、インターネット経由の通信ではなく、よりセキュリティの高い接続回線が求められていた。

  • 2016年10月よりIBM SoftLayerはBluemixにブランド統合されIBM Bluemix Infrastructureとして提供されております。

低コストで高品質、帯域メニューも豊富なTOKAIコミュニケーションズを採用

これらの課題に対して、同社は安定的でセキュアな閉域網でIBMクラウドに接続することを決めた。前述の通りテスト環境で利用するため、広帯域の回線は必要なかったが、試験実施時の一時的なトラフィックの増加に対応できる安定した回線が必要であった。回線事業者の選定に際しては、複数の事業者が候補に挙がっていたが、提供帯域が必要以上に大きくコスト面でも折り合わない事業者が多かった。
複数の候補から検討した結果、TOKAIコミュニケーションズが提供するキャリア・企業向け通信サービス「BroadLine」の「IBMクラウド Direct Link接続サービス」を採用した。その理由について、三協立山 情報システム統括室 システム企画部 運用課 主事 松本行央氏は「10Mbps~10Gbpsまで顧客のニーズに合わせて柔軟に帯域を選択でき、セキュアな閉域網で接続できることが採用の決め手でした」と振り返る。

同社とIBMクラウドデータセンターの接続には、閉域網である「リレーションEthernet」を利用し、帯域の増強を図るとともに通信の安定性を向上させた。同時に、閉域網接続サービス「Direct Link」を利用してIBMクラウドとのプライベート接続を行うことで、セキュアで高品質なネットワークを実現した。
加えて、同社が東京で利用しているデータセンターがTOKAIコミュニケーションズのリレーションEthernetの収容拠点であったことは、同社にとって大きなメリットであった。データセンター内の同社設備とTOKAIコミュニケーションズの収容設備の間で構内配線を敷設するだけで、短期間でリレーションEthernet網への接続を実現した。これにより、富山の同社拠点から新たに回線を敷設するのではなく、東京のデータセンターからIBMクラウドに近距離で接続することが可能となり、コストメリットを最大限に引き出した。

構成図:三協立山株式会社

マルチクラウドにも対応可能なBroadLineクラウド接続ソリューション

松本氏は、IBMクラウドとの閉域網接続を開始するにあたり「Direct Linkの開通には少なからず疑問や懸念があったが、営業担当者が事前に説明してくれたことや、確実に疎通が確認されるまでサポートをしてくれた技術担当者がいたことが心強かった」と評価する。

現在同社では基幹システムの再構築を行っており、IBMクラウド Direct Link接続サービスを利用してIBMクラウド上で7~8台のサーバを稼働させ、同システムの開発テストと機能テストを行っている。また基幹システムのテスト以外にも、大小さまざまな案件の開発環境やテスト環境としても使用しており、本サービスは同社の事業発展に貢献する一端を担っている。
インターネットVPNを使用していた時は、社内でのクラウド利用がなかなか浸透しなかったが、TOKAIコミュニケーションズのIBMクラウド Direct Link接続サービスで接続したことで、社内環境と遜色なくIBMクラウド上の環境を使用できるようになり、社内のクラウド利用も促進された。利用者からは「社内システムと同じように開発環境を使用できており、インストール作業も問題なくできている。品質的には文句がない」との声が挙がるなど、同サービスの通信速度と安定性が高く評価されている。

また松本氏は、同社のシステム環境の展望について「2009年頃より行った仮想化の時も、社内で認知を進めるには時間が必要でした。クラウドも同様で、今は範囲を限定して利用していますが、数年内にはクラウドを当たり前のように活用している見込みです」と語る。将来的には、IBMクラウドとプライベートクラウドを組み合わせたハイブリットクラウドや、IBMクラウドと他のクラウドを組み合わせたマルチクラウドの導入も視野に入れている。
基幹システムをすぐにクラウド上で稼働させることは難しいが、まずはサブシステムをクラウドに構築するなど、クラウドの利用範囲の拡張や社内利用の促進を図るとともに、将来に向けて、クラウドを活用したシステム運用の技術とノウハウを蓄積していく考えだ。

TOKAIコミュニケーションズは、IBMクラウドに加え、アマゾン ウェブ サービス(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platformなどの大手クラウドと接続する各種サービスを提供しており、ハイブリットクラウドやマルチクラウドにも対応が可能である。加えて、データセンター事業者としての運用実績と、システムインテグレータとして長年培った技術・ノウハウを活かし、クラウド導入のご相談から設計・構築・運用に至る全ての工程をワンストップで支援するクラウドインテグレーションを提供している。

今後クラウド利用の一層の推進を図る同社にとって、TOKAIコミュニケーションズは、クラウド導入に関するアドバイザーとなりうる存在であり、松本氏も期待を寄せる。「今後IBMクラウド以外の他のクラウドも利用したいという要望も出てくると思う。現在使用しているIBMクラウドとの接続回線を活用して他のクラウドに接続できるという提案など、当社のニーズに合うような提案をどんどんしてもらいたい」(松本氏)
TOKAIコミュニケーションズは、豊富なソリューションと確かな技術力で、今後も同社の事業成長や課題解決をトータルにサポートしていく。

関連する事例をみる