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導入事例
社会福祉法人静岡市社会福祉協議会

業種:専門サービス

オンプレミスのサーバ群をAWSに移行
柔軟なインフラ環境を構築しさらなる業務効率化を実現

導入効果
5年ごとに発生していたサーバリプレイスの手間とコストを大幅に削減
Amazon WorkSpacesの導入で業務の利便性と生産性が向上
将来にわたり助言や提案が期待できるITパートナーを獲得
導入サービス
AWS導入支援サービス
AWS接続サービス
監視・運用サービス
社会福祉法人静岡市社会福祉協議会
設立
1951年
本社所在地
静岡県静岡市葵区
事業内容
社会福祉を目的とする事業の企画・実施、社会福祉に関する活動への住民参加の推進 など
URL
https://www.shizuoka-shakyo.or.jp/
ロゴ:社会福祉法人静岡市社会福祉協議会

社会福祉法人静岡市社会福祉協議会は、1951年設立の静岡市社会福祉協議会と清水市社会福祉協議会が2003年に合併して誕生した。社会福祉協議会は、社会福祉法第109条に基づき、都道府県および市区町単位に地域福祉を推進することを目的として設置されている民間団体だ。静岡市社会福祉協議会(以下、静岡市社協)は、住民一人ひとりが自分らしく暮らせる地域社会づくりを目指して、地域福祉事業、介護・医療・障害福祉サービス事業、子ども子育て支援事業などに取り組んでいる。
これまで静岡市社協は、事業活動を支える各種情報システムをデータセンター内のオンプレミス環境で稼働させていたが、5年間使用していたサーバがリプレイス時期を迎えたためインフラの刷新を計画。新たなシステム基盤としてアマゾン ウェブ サービス(AWS)を採用した。その際にAWS上の環境構築とAWSへのシステム移行を支援するパートナーとして選択したのが、TOKAIコミュニケーションズだ。

朝比奈 淳 氏
社会福祉法人静岡市社会福祉協議会
総務部長
写真:朝比奈 淳 氏
津坂 直史 氏
社会福祉法人静岡市社会福祉協議会
総務部 経理課 リーダー
写真:津坂 直史 氏
森陰 亮介 氏
社会福祉法人静岡市社会福祉協議会
総務部 経理課
写真:森陰 亮介 氏

目次

オンプレミス環境からクラウドへの移行を決定

静岡市社協は、『住民の一人ひとりが「自分らしく」暮らせる地域社会づくりを進める』という経営理念のもと、2019年度には5か年の中期経営計画を策定した。その背景について、総務部長の朝比奈淳氏は、次のように説明する。

「私たちは公共性の高い事業に取り組んでいますが、一方で公益的な法人はどうしてもガバナンスが利きにくいという課題があります。そこでガバナンスと財務規律の強化を図り、その上で事業の公共性をより確かなものにしていく必要があると考えました。この視点で静岡市社協としてありたい姿を明確にしたうえで現在の事業などを精査し、組織内で徹底的に議論して作ったのが中期経営計画です。従来組織の殻を破り、例えば地域福祉事業では、住民の皆様が抱える様々な生活課題の解決に向けて、ソーシャルワークを基盤とした持続可能な地域福祉活動を実践することを明確にしています。今回の中期経営計画は、そうした新たな挑戦をしていく私たちの姿勢を鮮明に打ち出した経営の航海図とも言えるものです」(朝比奈氏)。

今まで静岡市社協では、運営する放課後児童クラブの利用者を管理するシステム、運用設備などの資産を管理するシステム、さらには組織内のメンバーが利用するファイルサーバなど、こうした様々な事業活動を支える各種情報システムをデータセンターに設置したオンプレミス環境で稼働させていた。2019年にはサーバがリプレイスのタイミングを迎え、さらに利用していたデータセンターも同じ時期に閉鎖されることになった。そこで静岡市社協はインフラ刷新のプロジェクトに着手し、新たなシステム基盤として、クラウドサービスを採用することを決定した。

多くの提供実績があり技術情報も豊富なAWSを採用

静岡市社協がインフラ刷新の計画を始めたのは2017年後半からで、当初はオンプレミスとクラウドの両方をリプレイス先候補として検討していたという。この点について、総務部 経理課の森陰亮介氏は、次のように説明する。

「2017年当時も、既にグローバル化の流れの中ではクラウド利用が進んでいましたが、オンプレミスも候補の一つとしてまだ検討の余地がありました。そこで、オンプレミスとクラウドそれぞれのパターンでTOKAIコミュニケーションズを含む複数社のITサービスベンダから提案を受けることにしました」(森陰氏)。

しかし、オンプレミスのサーバ環境では、5年ごとに訪れるリプレイスのタイミングで、毎回多大な手間とコスト、時間がかかることになる。新たな環境では、こうした負荷を極力軽減したいと考えていた。

「仕事を全て事務所内で完結させるという時代から、外出先や自宅などからもリアルタイムに処理することが求められる時代へと今後は変わっていきます。そのための環境作りを行っていかなければならないという思いがありました。オンプレミス環境では、十分なセキュリティ対策を行うために多額の投資が必要となりますが、クラウドサービスなら、利用したいシステムに外出先からでもセキュアにアクセスすることができます。こうした観点からも、やはりクラウドが最適だと判断しました」(森陰氏)。

静岡市社協は、新たなシステム基盤としてクラウドサービスを利用することを決め、最終的に採用したのが、TOKAIコミュニケーションズが提案したAWSだった。その理由について、総務部 経理課 リーダーの津坂直史氏は、次のように説明する。

「AWSは他のクラウドサービスと比べて歴史も長く、多くの提供実績があります。また、ホワイトペーパーや技術ガイドも豊富に提供されており、何か障害が発生した場合でも、システム保守を委託するTOKAIコミュニケーションズに迅速かつ適切に対応してもらえるだろうという安心感がありました。さらに今後外出先での業務処理が定着すれば、モバイルPCだけでなくタブレット端末やスマートフォンといったデバイスを利用したいというニーズも出てくるでしょう。その際にも、AWSなら接続元デバイスのOSの違いを気にすることなく柔軟に対応できます。総合的に勘案して、私たちに一番適しているのはAWSだと判断しました」(津坂氏)。

パートナーとしての信頼感がTOKAICOM採用の大きな理由

静岡市社協が提案を受けた各ITサービスベンダのうち、クラウドサービスとしてAWSを提案したのはTOKAIコミュニケーションズだけだったという。AWSには他のクラウドサービスと比較して優位性があると判断した静岡市社協だが、朝比奈氏は「ビジネスパートナーとしてのTOKAIコミュニケーションズの存在もまた、AWSと同じぐらいに大きいものでした」と強調する。

「今回のプロジェクトはインフラの刷新で、安価な投資ではありません。急速に進化していくITの世界において、専門的な情報のない私たちには今以上に信頼できるビジネスパートナーが必要でした。その時にTOKAIコミュニケーションズは、私たちのやりたいことに真摯に耳を傾け、最適な提案を行ってくれました。何よりも本音でお話をしてもらえたのが、大きな信頼感に繋がりました」(朝比奈氏)。

また、実際の環境移行作業に関して、森陰氏は「ITパートナーとしてのTOKAIコミュニケーションズのサポートが、非常に心強いものでした」と続ける。

「プロジェクトを進める中で一番大きな問題となったのがファイルサーバのデータ移行でした。移行対象となるデータ容量が当初の想定よりも大幅に増えてしまったのです。私たちのネットワーク環境では、スケジュール通りに移行を完了することが非常に厳しい状況でした。その時にTOKAIコミュニケーションズは、毎週の打ち合わせの中で私たちの進捗状況を確認しながら、具体的な作業方法を提示してくれるなど、スケジュール通りに移行を完了できる方法を一緒に探ってくれました。こうした数々のサポートがあったからこそ、当初の計画通りに移行を完了することができたと考えています」(森陰氏)。

実際のインフラ刷新プロジェクトは2019年4月にスタートし、同年6月にカットオーバーと非常に短期間で終えることができた。AWSへの接続には、セキュアなプライベートネットワークを簡単に実現できるTOKAIコミュニケーションズのVPN接続サービス「VIC-VPN for AWS」を採用した。現在利用しているAWS上のサーバは5台で、Active Directoryの管理サーバ、資産管理システム、各種業務システムなどが稼働している。

Amazon WorkSpacesも導入しさらなる業務効率化を推進

移行プロジェクトの終了から現時点で約半年が経過しているが、津坂氏はクラウドならではのスピード感を実感していると話す。

「インフラ環境がAWSになったことで、システムのテストや検証をする際にも必要な環境をすぐに構築することができ、問題があればすぐにサーバを停止することができます。私たちの業務のスピード感も格段に上がっていると思います」(津坂氏)。

また、静岡市社協では、AWSへの移行後に改めてTOKAIコミュニケーションズに依頼し、仮想デスクトップサービスであるAmazon WorkSpacesも導入、2019年11月から利用を開始した。

「現在私たちは各業務部門から募った計10名のメンバーで構成される情報システム委員会という組織を設置し、Chromebookを活用して外出先からのシステム利用を試験的に進めています。例として、これまでは決裁文書が紙で回覧されており、上長の出張時には承認がもらえませんでしたが、Amazon WorkSpacesを利用することで外出先からでも承認作業が可能になるため業務効率は大幅にアップします。この情報システム委員会での検討を経て、将来的にはAmazon WorkSpacesの利用を全社に広げていきたいと考えています」(津坂氏)。

今後も静岡市社協では、TOKAIコミュニケーションズの協力を得ながら、様々な業務の効率化を図っていきたい考えだ。

「インフラ環境を全てAWSに移行した2019年は、私たちにとってまさに“クラウド元年”でした。この大きな変革の時に信頼のおけるビジネスパートナーとしてTOKAIコミュニケーションズに出会うことができ、本当に良かったと実感しています。今後私たちは民間企業と同様のスピード感を持って事業に取り組んでいく必要があると考えています。これからもTOKAIコミュニケーションズには唯一無二のパートナーとして、最適な助言や提案を期待しています」(朝比奈氏)。

構成図:社会福祉法人静岡市社会福祉協議会

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