BroadLine(ブロードライン)

導入事例
株式会社スズキヤ

業種:卸・小売

オンプレミスで稼働するOracle DatabaseをOracle Cloudに移行
可用性とコストメリットに優れたネットワーク環境を実現

導入効果
高品質でコストパフォーマンスの高いアクセス回線を獲得
ユーザがクラウド利用を意識しない通信環境を実現
アクセス回線の冗長化による可用性の向上で得られた大きな安心感
導入サービス
Oracle Cloud接続サービス
VIC-VPN for Oracle Cloud
株式会社スズキヤ
設立
1970年6月
所在地
神奈川県逗子市
事業内容
総合食料品小売業、雑貨専門店、不動産事業、保険代理店業
URL
http://www.suzukiya-inc.jp/
ロゴ:株式会社スズキヤ

1902年4月に食料品・雑貨などの小売販売から事業を開始した株式会社スズキヤは、創業以来、消費者に「安心・安全・おいしい」商品を届けることをコンセプトに、神奈川県下で総合食料品小売業(スーパーマーケット)や雑貨専門店などを展開している。特にスーパーでは地域密着の店作りに注力して地元神奈川ならではの食材を充実させており、近年では全国スーパーマーケット協会が主催する「デリカテッセントレードショー」のお弁当・お惣菜大賞において、2019年より最優秀賞、優秀賞など多数受賞した。社員・パートを問わず、現場スタッフのアイデアを盛り込んだ商品作りの取り組みが成果として表れている。
同社は2020年4月、Oracle Databaseを稼働させていたオンプレミス環境の物理サーバが保守サポート満了を迎えるに伴い、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)への移行プロジェクトを開始した。その際にOCIへの安心・安全なアクセスを実現するネットワークソリューションとして採用されたのが、TOKAIコミュニケーションズの提供する「Oracle Cloud 接続サービス」だ。

尾形 宏是 氏
株式会社スズキヤ
情報システム部 係長
写真:尾形 宏是 氏

目次

サーバの保守切れに伴いクラウドへの移行を計画

株式会社スズキヤは、オンプレミス環境に設置した物理サーバ上にVMware製品を利用した仮想環境を構築し、数台の仮想マシン上でOracle Databaseを稼働させていた。これらのデータベースは、人事給与システムや電子発注システム、販売管理システムで利用するものだ。このうち、1台のサーバが2020年夏に保守サポートの満了を迎えるため、新たなインフラへの移行について検討を開始した。当時の状況について、株式会社スズキヤ 情報システム部 係長の尾形宏是氏は、次のように説明する。

「保守サポートが終了するサーバで、稼働しているシステムを既存環境の別サーバにそのまま移行するのが最もシンプルな方法でした。しかし、該当のサーバはVMware Virtual SANベースのハイパーコンバージドインフラストラクチャ環境になっており、そこにOracle Databaseを移行した場合、CPUコア数やソフトウェアライセンスに関わるコストが膨大になってしまうことが分かりました。そこでこの機会にクラウドへの移行を計画することにしました」。

時期を同じくして、オラクル社からIaaSサービスであるOracle Cloud Infrastructure(OCI)の紹介を受けたこともあり、同社は本格的にOCIの採用を検討することにした。重視したのは、移行時および運用開始後のコストをどれだけ低減できるかということだ。

「OCIはOracle Databaseとの親和性が非常に高く、インフラコストの最適化が期待できました。またOCI上に構築したデータベース環境にネットワークを介してダイレクトにアクセスすることが可能で、利便性も非常に高いことからOCIの採用を決定しました」。

ただし、OCIの利用に当たってはユーザ環境からOCIに接続するための新たなネットワークを用意する必要がある。その際に複数の候補の中から選択されたのが、TOKAIコミュニケーションズの提供するBroadLine「Oracle Cloud接続サービス」だった。

採用の決め手は高信頼性とコストの優位性

OCIへの接続回線を選定する際に、同社は取引のあるネットワークベンダーに協力を仰いで複数のネットワークサービスの紹介を受けたという。

「今後アクセス量が増えてくることも想定して、新たに導入するネットワークは安心・安全な通信品質とコストパフォーマンスを最も重要な要件としました。最終的に検討対象となったのはTOKAIコミュニケーションズのOracle Cloud接続サービスを含む複数のサービスでしたが、高品質・コストパフォーマンスという2つの要件を満たしていたのがOracle Cloud接続サービスだったのです」。

提案を受けたネットワーク構成は、同社の利用するデータセンターからオラクルの提供するOCI接続サービス「Oracle Cloud Infrastructure FastConnect」との間を帯域保証型の1Gbps専用回線で接続するというものだった。基幹システムで利用するデータベースをクラウドに移行するというプロジェクトは、同社にとって初めての試みだったが、それ以前からクラウド上で稼働する販売データ分析システムなどを利用していたこともあり、データベースをクラウドで利用することへの抵抗はなかったという。

「ただし、基幹システムは絶対に止めたくありませんでしたので、万一回線障害が発生した場合の対策も考えておく必要があります。提案してくれたネットワークベンダーからは、Oracle Cloud接続サービスなら余程のことがない限りまず心配はないだろうと聞いていましたが、万全を期すためにも接続回線の冗長化は必須要件でした。そこで最適な冗長構成についてもTOKAIコミュニケーションズに相談し、メイン回線に加えてバックアップ回線として、インターネットVPN回線を採用することにしました」。

バックアップ回線として選択したのが、「VIC-VPN for Oracle Cloudサービス」だ。こちらはNTTフレッツ回線を利用したインターネットVPNサービスとなり、専用回線と比較してコストを大幅に抑えることができる。

Oracle Cloud接続サービスおよびVIC-VPN for Oracle Cloudの導入は2020年8月から始まり、11月中には両回線とも開通し、短期間で完了した。

バッチ処理時間が約30分も短縮

Oracle Cloud接続サービスの利用開始から約3か月が経過している現在、尾形氏は導入効果として全くストレスの無いクラウド利用環境を獲得できたことを強調する。

「電子発注システムは、毎日夜間に商品マスタや販売実績データベースなどの更新をバッチ処理で行っているのですが、これまでは2時間ぐらいかかっていました。システムをOCIに移行してからは、処理時間が30分近く短くなったという結果が得られました。もちろんOCI自体のパフォーマンスも関係していると思いますが、OCIへの接続回線の品質も大きく貢献していると考えています。オンプレミス環境にあるデータベースより処理スピートが速くなることは、正直なところあまり想定していませんでしたが、良い意味で大きく予想を覆されましたね」。

さらに尾形氏は、快適なクラウド環境はユーザに余計なストレスを与える場面が全くないと続ける。

「今回はインフラ部分にOCIを導入したということもあり、社内に向けて大々的な周知はしていなかったのですが、ユーザはインフラがクラウドに移行したことに全く気付いていないのではないかと思うほど快適に利用できています。処理が遅くなったという声も全く出ていません。利用時のストレスフリーという状態は、ユーザサポートの面からも非常に助かっています」。

手厚いサポートで安心 今後も多様な支援に期待

今回の導入プロジェクトを進めるにあたり、既存の自社ネットワークに関する様々な情報を洗い出す必要があったが、尾形氏はこの部分についてもTOKAIコミュニケーションズにきめ細かくサポートしてもらったと話す。

「Oracle Cloud 接続サービスとVIC-VPN for Oracle Cloudを導入する際、各種機器のIPアドレスやトンネルインタフェースなどの設定項目を伝える必要があるのですが、TOKAIコミュニケーションズのエンジニアは、当社の情報を確認しながらヒアリングシートの記載方法などを丁寧にレクチャーしてくれました。非常に心強かったですね。ネットワークそのものの品質だけでなく、ユーザに対するエンジニアの丁寧な対応からも、TOKAIコミュニケーションズが信頼のおける存在であることを感じられました」。

Oracle Cloud接続サービスとVIC-VPN for Oracle Cloudの稼働開始後、ある日の深夜にTOKAIコミュニケーションズのサポートスタッフから尾形氏にバックアップ回線とOCIとの疎通確認が約10分間取れていない旨のメッセージが届いたことがあったという。

「メイン回線のOracle Cloud接続サービスは通常通り稼働していたのでシステムにはまったく影響がなく、バックアップ回線の復旧も翌朝のTOKAIコミュニケーションズからの回答で認識できました。しっかり監視してもらっていることを実感でき、運用面での信頼性も改めて確認することができました」。

基幹システム用データベースのクラウド移行を成功させ、システムが順調に稼働し続けていることは、同社が今後クラウドシフトを加速していく上での大きな足掛かりとなった。

「データセンター内のサーバで稼働しているシステムもまだ残っています。今後はそうしたシステムも順次クラウドに移行していくことを検討しています。今回はOracle Databaseとの親和性も考慮してOCIに移行しましたが、他のシステムはこの限りではありません。TOKAIコミュニケーションズは、OCIに限らず多様なクラウドサービスの環境構築支援や接続回線サービスも提供しているので、今後はシステムごとに移行のタイミングを見極め、インフラから上流工程も含めて相談できればと考えています。これからも我々の良きITパートナーとして、力を貸していただきたいと思います」。

構成図:株式会社スズキヤ

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