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クラウド接続とは? 接続種類や選択ポイント、マルチクラウドまで徹底解説

多くの企業がクラウド利用を検討する中、適切なクラウド接続方法の選択はビジネスの成功に直結します。クラウドコンピューティングはインターネットを介してオンデマンドで計算資源を提供することで、効率的で柔軟なITインフラを実現しています。
本記事ではクラウド接続の基礎から接続回線の種類、選択ポイント、マルチクラウドに至るまでを詳しく解説し、企業が最適な接続方法を選択できるよう支援します。

クラウド接続の基本知識

クラウド接続の基本を理解することは、効率的で安全なクラウド利用のために不可欠です。本章では、クラウド接続に関する基本的な概念とその重要性について解説します。まず、クラウド接続とは何かを理解するために、その基本的な機能と役割について詳しく見ていきましょう。クラウド接続は、企業や個人が外部のクラウドサービスに接続するための通信経路を提供し、データのやり取りを可能にします。また、適切な回線選びは、クラウドサービスの性能を最適化し、ビジネスの効率を向上させるために重要です。

クラウドとは

クラウドとは、インターネットを通じて計算資源やストレージ、アプリケーションを提供するサービスのことです。そのため、クラウドを利用する企業や個人は、物理的なサーバを購入する必要がなく、必要に応じてリソースを柔軟に利用できます。これにより、コスト削減やスケーラビリティの向上が可能になります。例えば、アマゾン ウェブ サービス (AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud、IBM Cloud、Oracle Cloud Infrastructureなどの主要なクラウドサービスプロバイダーは、多種多様なクラウドサービスを提供しています。

クラウド利用により、効率的なリソース管理と迅速なシステムのスケールアップ、ダウンが可能です。クラウド環境はオンデマンドでリソースを提供するため、ユーザーは必要なときに必要なだけのリソースを確保することができ、無駄なコストを削減できます。また、クラウドは高い信頼性を持ち、セキュリティ対策も充実しているため、安心して利用できる環境が整っています。

クラウド接続の概念と重要性

クラウド接続は、お客様がインターネットを通じてクラウドサービスにアクセスするための重要な手段です。クラウドサービスを利用することで、業務効率化やコスト削減が期待できるため、安定したクラウド接続が求められます。例えば、一般的なインターネット接続ではなく、専用回線を利用することで、クラウドサービスへのアクセスが安全かつ迅速に行われます。このように、クラウド接続の概念を理解し、その重要性を認識することで、企業の業務効率化に役立てましょう。

接続にあたって必要な機器や手続き

クラウド接続には特定の機器の手配と手続きが必要です。例えば、クラウド接続にはルーターかレイヤー3スイッチ、ときにはファイアウォールが必須です。これらの機器は、ネットワークトラフィックを管理し、データの安全性を確保する重要な役割を果たします。後述する閉域網接続では、レイヤー2レベルでのVLANの設計や設定であったり、共通事項としてレイヤー3レベルでのルーティングや、アクセス制御リストを作成し、その設計や設定だったり、後述するVPN接続では、暗号化の設定や設定だったりが必要となります。また、閉域網接続では閉域回線の調達や、VPN接続では現状のインターネット回線の増強か、追加が必要となります。一方、これらを実現するために、企業のネットワーク構成の変更やクラウドサービスプロバイダーとの契約内容に応じた調整が求められます。

事前の準備を怠らず、必要な機器や手続きを整えることがクラウド接続を成功に導く鍵となります。なお、当社との具体的な手続きの内容はお問合せにてご連絡ください。

回線の種類とそれぞれの特徴

クラウド接続にはさまざまな回線の種類があり、それぞれに独自の特徴と利点があります。回線の選択はクラウド活用において重要な決定要素の一つです。選択する回線がビジネスニーズにマッチし、安定性やセキュリティを提供することが求められます。本章では、代表的な回線の種類と特徴を紹介します。

閉域網接続

閉域網接続は、インターネットを介さずに専用回線を利用してクラウドと接続する方法です。これは、インターネットを経由しないため、セキュリティや通信の安定性が非常に高くなるという特長があります。例えば、金融機関、医療機関や、自治体など、高いセキュリティ要件が求められる業界での採用例が多く見られます。このため、セキュリティと安定性が重視されるシーンでは、閉域網接続が最適な選択肢となります。クラウド利用においても、通信の信頼性とデータの保護は非常に重要です。その点で閉域網接続は、データ漏洩やサイバー攻撃からの安全性を確保しながら、高速で安定した通信を実現するために不可欠な手段といえます。

VPN接続

VPN接続は、公衆のインターネット回線を仮想化したいわゆるトンネルを介してクラウドと接続する方法です。また、VPNによって暗号化されたトンネルは、認証されたユーザー以外には読み取れないようにします。これにより、通信品質を保ちながらも高いセキュリティを確保できます。1つ目の例は、小規模拠点では、クラウド事業者が用意するVPN接続口へ指定された認証設定をVPNルーターにも設定すれば、手軽にクラウド事業者との間だけ暗号化したトンネルで高いセキュリティを確保し、クラウド事業者とVPN接続することができます。2つ目の例は、リモートワーカーがカフェなどの公共Wi-Fiを利用して業務を行う場合でも、VPN接続を利用することで通信は暗号化され、外部からの不正アクセスを防ぐことが可能となります。また、暗号化プロトコルにより、データの盗聴や改ざんのリスクも最小限に抑えられます。その点でVPN接続は、テレワークや小規模拠点から安全なクラウド接続を実現するために不可欠な手段といえます。

クラウド接続方式の選択ポイント

クラウド接続方式を選択する際には、速度や安定性、セキュリティ、価格など多くの要素を考慮する必要があります。それぞれの要素がどのように関係しているのかを理解することで、最適なクラウド接続方式を選択する手助けとなります。ここでは、クラウド接続方式を選ぶ際に特に重要な要素について詳しく解説します。まずは速度と安定性、次にセキュリティとプライバシーポリシー、そして最後に価格と顧客サポートについて見ていきましょう。

速度と安定性

クラウド接続を選択する際には、速度と安定性が大切なポイントになります。クラウド上で動作するアプリケーションやサービスのパフォーマンスが、回線の速度や安定性によって大きく左右されるからです。これが低下すると業務に影響を及ぼす可能性があります。例えば、大量のデータをリアルタイムで処理する必要がある企業は、高速で安定した回線を使用することで、効率的に作業を進めることができます。また、不安定な接続ではデータ転送やアクセスが遅延し、ビジネスの運用に支障が出ることがあります。したがって、クラウド接続を選択するときは、速度と安定性を重視することが不可欠です。

セキュリティとプライバシーポリシー

クラウド接続を選択する際、セキュリティとプライバシーポリシーは非常に重要です。データの漏洩や不正アクセスは企業にとって大きなリスクとなり、深刻な被害をもたらす可能性があるためです。例えば、適切な暗号化技術を導入することで、通信中のデータが外部から盗聴されるリスクを軽減できます。また、信頼できるクラウドサービスプロバイダーは厳格なプライバシーポリシーを持ち、ユーザーの情報を適切に保護します。接続方式を選ぶ際は、必ずセキュリティとプライバシーポリシーがしっかりと確保されているかを確認しましょう。クラウド接続環境のセキュリティ対策として、ファイアウォールや侵入検知システム(IDS)などを導入して、外部からの攻撃を未然に防ぐ対策が重要です。

また、企業のデータを安全に保つために、定期的なセキュリティ監査を実施し、その結果に基づいてセキュリティポリシーを見直すことが必要です。これにより、最新の脅威に対しても対応できる堅牢なセキュリティ状態を維持することができます。

価格と顧客サポート

クラウド接続方式を選ぶ際、価格と顧客サポートは、企業にとってなくてはならない要素です。価格は企業の予算に大きく影響しますし、優れた顧客サポートがあれば、問題解決が迅速に行えます。

例えば、あるベンダーのプランでは初期費用が低く月額料金も手頃ですが、24時間対応の顧客サポートが含まれていないため、トラブル時に高額な追加料金が発生したり、切り分けや復旧まで多大なる時間を費やし、生産性を著しく低下させてしまうことがあります。そのため、単に低価格だけを追求するのではなく、顧客サポートの質を重視してクラウド接続方式を選ぶことが重要です。特に、問題が生じた際に迅速に対応できる体制が整っているか、どれだけのサポートが提供されるのかを確認することが必要です。価格とサポートがバランスよく提供されているプランを選ぶことで、企業のネットワーク環境がより安定し、運用の効率も向上するでしょう。

マルチクラウド接続

マルチクラウド接続は、複数のクラウドサービスを連携させることで、企業にとって最適な環境を作り出す方法です。このセクションでは、マルチクラウド接続のメリットとデメリットについて詳しく解説し、その利点と課題を明らかにします。

メリット

①障害復旧、リスク分散

マルチクラウド環境では、障害復旧とリスク分散が容易に実現できます。異なるクラウドプロバイダーを使用することにより、障害が一つのプロバイダーに限定されるため、全体に影響が及ぶリスクが低減されます。例えば、A社とB社のクラウドサービスを併用することで、A社のクラウドが停止してもB社でサービスを継続することが可能です。マルチクラウド環境を利用すると、障害復旧が迅速に行え、全体のリスクも分散できます。

②カスタマイズ性の高さ

マルチクラウド接続は、企業が自分たちのニーズに応じたシステムを柔軟に構築できるカスタマイズ性の高さが大きな魅力です。各クラウドプロバイダーの特化したサービスやツールを組み合わせることで、最適なシステムを構築できるからです。複数のサービスを利用することで、業務効率や生産性を向上させることができます。例えば、データベースには一社のサービスを使いながら、解析には別の会社のツールを使うことで、それぞれの強みを活かすシステムが構築できます。これにより各機能を最適化し、結果的に業務全体のパフォーマンスを向上させることが可能です。

③ベンダー依存からの脱却

マルチクラウド導入により、特定ベンダーへの依存を避けることが可能です。特定ベンダーへの依存は、サービス品質や料金の変動に対するリスクを増大させます。しかし、複数のクラウドサービスを利用することで、そのリスクを分散させることができます。例えば、AWSに加えてGCPやAzureを併用することで、どれか一つのサービスに不具合が生じた場合でも他のクラウドサービスに切り替えられます。これにより、データの安全性や信頼性が格段に強化されるだけでなく、コストも最適化されるため、企業にとって大きなメリットがあります。また、ベンダー間の競争が生まれることによって、より高品質なサービスを提供される可能性も高まります。

デメリット

①コストの増加

マルチクラウド接続はコストが増加する傾向があります。なぜなら、各クラウドベンダーへの接続費用や運用管理にかかる追加コストが発生するためです。例えば、異なるベンダーのクラウドサービスを利用する際、それぞれのクラウドサービスに対する接続料金、それに加えてセキュリティ対策やサポート費用が増加し、総合的なコストが高くなる場合があります。マルチクラウド接続にはコスト増加のリスクがあるため、導入時にはコスト管理を念頭に置きましょう。

②運用体制の複雑化

マルチクラウド接続は、企業に多くのメリットをもたらす一方で、運用体制を複雑化させる可能性があります。複数のクラウドサービスを利用することで、各サービスごとの運用管理やトラブルシューティングが必要となり、運用の負担が増加するためです。例えば、異なるクラウドプロバイダーのインターフェースや設定方法を習熟するため、統一的な管理が難しくなります。また、それぞれのプラットフォームでのセキュリティ設定や監視も個別に行う必要があります。そのため、マルチクラウドを採用する際は、運用体制の複雑化を見越して適切な運用計画を立て、管理ツールの導入や専門知識を持った人材の確保を進めることが重要です。クラウド間のデータ転送や通信品質の確保にも気を配る必要があり、専用のソリューションやツールの活用が求められます。運用体制を整えることで、マルチクラウドのメリットを最大限に引き出し、企業のIT環境をより柔軟かつ効果的に運用できます。

TOKAIコミュニケーションズのクラウド接続ソリューション

当社では、お客様の多様なニーズに応えるクラウド接続ソリューションを提供しています。

接続可能なクラウドサービス

アマゾン ウェブ サービス(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud、IBM Cloud、Oracle Cloud Infrastructureなどの大手クラウドサービスとの接続が可能です。
接続サービスの詳細は各クラウド接続サービスの紹介ページをご覧ください。

クラウド接続メニュー

クラウド接続メニューは、共有接続プラン、専用接続プラン、パブリック接続プランをご用意しています。
※クラウドベンダーによってはパブリック提供ブランの提供がない場合もありますのでお問い合わせください。

共有接続プラン

他のお客様とは論理的に分離した状態でクラウドベンダーへ接続するプランです。クラウド接続プランの中でも、安価で提供できるプランとなりますが、制限事項がクラウドベンダーによっては、多い傾向です。

専用接続プラン

お客様向けにクラウドベンダーへ一意の回線で接続するプラン。帯域に余剰を持って接続したい場合や、最近は無くなりつつありますが制限事項を気にせず接続したり、難しい構成に対応できたり、ご予算に余裕があったりと将来を見据えて接続したい場合には最適です。

パブリック接続プラン

クラウドベンダーのパブリックサービスに直接接続することが可能なプラン。シンプルにクラウドベンダーのパブリック空間へダイレクトに接続したいお客様向け。この接続プランは、グローバルなネットワーク空間に接続することになるため、グローバルIPで接続やセキュリティ上の注意が必要です。

クラウド接続回線の主なラインナップ

専用線・広域Ethernet接続

お客様拠点とクラウドサービス間を大容量かつ安定した回線で接続します。

VPN接続

インターネット回線を利用してお客さま拠点とクラウドサービス間を安価に接続します。

クラウド接続ルーティングオプション / CPEレンタルサービス(オプション)

クラウド接続ルーティングオプション(CCRO)/ CPEレンタルサービスは、お客様拠点とクラウドサービス間、相互をルーティングするレイヤー3接続サービスです。

CCROは、東と西日本エリアそれぞれに配置する仮想ルーターによって、冗長構成のルーティング機能を提供します。そのため通信障害が発生した場合でも、他のルートに自動切り替えすることで即座に対応し、利用者への影響を最小限に抑えます。CPEレンタルサービスは、お客様宅内か、当社網内に物理的にルーターをレンタル提供、シングルか2台(冗長)いずれかのご選択と、お客様が期待する難しい構成にも対応し、当社がご用意可能な機器から選択いただけたり、上述するように設置場所が決められたりと、より柔軟にお応えできます。

これらのオプションサービスは、2012年のクラウド接続の開始から同時に開始し、10年以上の長い経験によって得られたノウハウや保守・運用実績があり、数多くのお客様からご採用いただいており、クラウド接続には欠かせないオプションサービスになっております。これらオプションサービスは、上述の通り、一貫して高品質なクラウド接続サービスを提供できるため、信頼性の高いネットワーク環境を確保できます。

お客様拠点とクラウドサービス間、相互をレイヤ3接続しルーティングするサービスです。
東と西日本エリアそれぞれに配置するルータ設備によって、冗長構成のルーティング機能を提供します。そのため通信障害が発生した場合でも、他のルートに自動切り替えすることで即座に対応し、利用者への影響を最小限に抑えます。このように、柔軟なルーティングオプションを導入することで、一貫して高品質なクラウド接続サービスを提供できるため、信頼性の高いネットワーク環境を確保できます。

クラウド接続回線一時利用サービス


クラウド接続回線一時利用サービスは、1日単位で接続検証などの用途で必要とする場合に有効なサービスです。
他の利点としては、設定や手続きが簡単なことです。ご利用するためのPC端末やデータ転送用データはお客様にて必要ですが、接続するためのルーター設定や接続手順書は不要です。

クラウド接続ならTOKAIコミュニケーションズにお任せください!

当社のクラウド接続サービスは、2012年から開始し数多くのお客様向けのご提供実績があります。

その長年のノウハウを活用し、お客様の課題・要望に合わせて豊富な接続プランやオプションメニューから最適なソリューションをご提案します。

自社が保有する総延長約12,000kmの光ファイバー網を使用した高品質かつ安価な回線サービスのご提供に自信があります。ご導入後の保守・運用も当社でサポートを行っておりますので、安心してクラウド接続導入・運用を進めるために、まずは当社にご相談ください。お客様専任の営業担当がお客様の課題を解決いたします。